Designer’s House syumitaro NO.01 / 趣味太郎

Designer’s House syumitaro NO.01 / 趣味太郎お疲れ様です、SIVAです。
今回もよろしくお願いいたします。

Designer’s House syumitaro NO.01 / 趣味太郎

それはどこかの町のどこかのアパート。そこはその場所を住みかと決めた4人の人物たちが、当たり前の毎日を過ごすためにデザインされたそれぞれに居心地のいい場所。

架空物件に対しての間取りとその中に住む人のライフスタイルを想像したという、非常にわたし好みのテーマをもった本です。架空の物件は2階建て3部屋あるアパートで1階は2部屋に分かれており2階はまるまる1部屋として書かれている、この物件の住人たちの部屋に込められた快適空間の演出を見ていくのが楽しい一冊です。

1階は2部屋ともに自分を追求したコンセプトをもった空間がデザインされており、すんでいるのは共に男性で、ゆったりとした時間を過ごすための空間と、キリッとした活動的な空間に分かれており、これら2つのシンメトリーな空間はほぼ真逆のテイストで作られている。

2階は2LDKという大きな空間に姉妹が住むという柔らかさのある生活空間。ここに内面が少し垣間見える姉妹の違いを居室に出しつつも、共有スペースはどこか安心できる万人に居心地がいいようなデザインになっている。

こういった生活空間は例えば家具を売るカタログ冊子などにあるような、住む人を想像させる空間演出で、その住人が持つテーマに沿ったデザイン性で彩られた空間はショールームの閲覧のような面白さがある。
そもそも作者の趣味太郎さんが背景イラストを趣味で描かれている方ということで、その背景イラストとして住む人を想像させるリアリティがこの本の中におちつかせた空気を満たしていて、奇抜さのない真実味を醸し出す事でそこに住人の姿が想像できるという優しい内容に仕上げられているのかもしれない。

背景イラストとして間取りがあることで容易に生活様式が想像できるため、現代劇を描くときの世界設定としてこの一冊を使うことができればここから物語を生み出すのはとても容易に思える(面白いかは別として(笑))。





例えばこれがどこかのラノベ作家さんの描くキャラクターの生活空間のモデルになったら、家具の位置が決まっているために動線を描くことがスムーズになり、どこかの漫画家さんの描くキャラクターの生活空間のモデルになったら、部屋のワンシーンを書く際にコマの中で破綻のない背景が書き込めるということになる。それだけ大事な世界という脇の存在をしっかり作っているというのは、他の作家さんの創作意識の一助となることは明らかで、むしろ場合によってはキャラクターだけを作って出来事を想像するよりもインスピレーションの湧く存在になる。

物語を紡ぐ作品との面白さの違いは、ここに置かれるキャラクターを想像してそのキャラクターに物語をつけることが無限大に拡がるため、愉しみ方が読み手の気持ちで全く違うストーリーが展開されているということで、想像力のブースターとして世界設定系のジャンルは頭を柔らかくしてくれる良いジャンルだと思ってます。
まだまだ設定としては粗削りで踏み込み方に迷いがあるところも見て取れますが、その力の抜き具合も読み手にほとんどを想像させる方向に転嫁されているので逆に良かったと思える。こういった背景世界を専門に発信する人たちがもっとジャンルとして切り分けられてもいいなと考えしきりです。

私も実は物書きの隅っこにいる人なのでたくさん世界を想像してきたのですが、このミニマムな生活空間だけの創造は振り返ってもほぼなくて、すっごいおろそかな部分だったのを反省してみたりしてますが(笑)

背景設定としても敷居が低くされていて気軽に読めるこの一冊、おすすめです。

 

 

誌名 : Designer’s House syumitaro NO.01
サークル名 : 趣味太郎
作者 : 趣味太郎
website : outsiders  https://syumitaro0709.wixsite.com/syumitaro-works
pixiv : 趣味太郎
Twitter :

印刷所 :  株式会社グラフィック
https://www.graphic.jp/

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